祈祷会 申命記16章「イスラエルの3つの祭り」 2023.5.3
神は、イスラエルの人々と契約を結ばれました。神は、イスラエルの人々の神となり、イスラエルの人々は神の民になるということです。エジプトを出たイスラエルの人々は、荒れ野の旅を経て、目の前に目指す約束の土地が広がっています。モーセは、約束の土地を目の前にしているイスラエルの人々に、神の民として生きることの意味を語っています。それが、この申命記の内容になります。神の民として生きるということは、神の教えを守って生きるということです。神を愛し、隣人を愛して生きていくということです。この申命記16章では、イスラエルの人々が守るべき大きな3つの祭りについて語っています。
・16:1~8、過越し祭
毎年春(3月~4月ごろ)に、この祭りが行われます。かつて、イスラエルの人々はエジプトで長い間、奴隷としての日々を送っていました。その苦しみから解放するために、神はモーセを遣わしたのです。神はモーセを通して、エジプトに10の災いを送りました。その最後の10番目の災いが、過越し祭の由来になっていきます。10の災い、当時の自然災害です。カエルやアブやイナゴなどの大発生などです。10番目は、死の使いがエジプト中を巡りました。死の使いが通ったエジプトの家では、その家の初子が打たれたのです。初子が死んでしまったのです。この時、エジプト人のすべての家では、初子が死んでしまったので、大きな悲しみが満ちたとあります。イスラエルの人々の家では、子羊の血を、家の入り口などに塗ります。死の使いが、イスラエルの人々の家を通る時に、その血を見ると、その家を過ぎ越して行きました。つまり、初子は死ぬことはなかったのです。この出来事がきっかけで、イスラエルの人々はエジプトを出ることができたのです。そのために、この出来事を忘れることのないようにと過越し祭として祝うようになりました。
イスラエルの人々は、主がその名を置くために選ばれた場所で、羊あるいは牛を過越しのいけにえとして、主に屠るのです。その時に、酵母の入っていないパンを食べるのです。これは、7日間続きます。エジプトの国から急いで出たことを思い出すためです。イスラエルの人々は、エジプトから出た日を生涯思い起こすことが求められています。夕方、太陽の沈むころ、エジプトを出た時刻に過越しのいけにえを屠り、6日間酵母を入れないパンを食べ、7日目には主のために聖なる集まりを行い、いかなる仕事もしてはいけないのです。
・16:9~12、七週の祭り
過越し祭から50日目、7週を数えるのです。小麦の収穫祭です。イスラエルの人々は、主のために七週祭を行い、主より受けた祝福に応じて、十分に、ささげうるだけの収穫のささげものをします。こうして、人々は、主の名を置くために選ばれる場所で、息子、娘、男女の奴隷、町にいるレビ人、寄留者、孤児、寡婦などと共に喜び祝うのです。この時、かつてエジプトで奴隷だったことを思い出すのです。
・16:13~17、仮庵祭
秋の収穫祭です。麦打ち場と酒ぶねからの収穫が済んだ時、人々は7日間、仮庵祭を行うのです。息子、娘、男女の奴隷、町にいるレビ人、寄留者、孤児、寡婦などと共に、喜び祝うのです。7日間、主の選ばれる場所で、主のための祭りを行います。主は人々の収穫と手の業をすべて祝福してくださいます。人々は、ただそれを喜び祝うのです。イスラエルの人々の男子はすべて、年に3度、過越し祭(除酵祭)、七週祭、仮庵祭に、主の選ばれる場所に出ることになります。人々は、主より受けた祝福に応じて、それぞれがささげものをするのです。
・16:18~20、正しい裁判
主が、部族ごとに与えられるすべての町に、裁判人と役人を置き、正しい裁きをもって人々を裁かせるのです。裁きを曲げず、偏り見ず、賄賂を受け取ってはいけないのです。賄賂は賢い者の目をくらませ、正しい者の言い分をゆがめることになるからです。人々は正しいことのみを追求するのです。
・16:21~22、正しい礼拝
イスラエルの人々は、主の祭壇を築いて、そのそばにアシュラ像はじめいかなる木の柱も据えてはいけないのです。また、主が憎まれる石柱も立ててはいけないのです。
イスラエルの人々は、3つの祭りを通して、神の救いの出来事を思うのです。過越し祭では、エジプトでの苦難と神の救いの業、七週祭と仮庵祭では、神から与えられる収穫の恵みを覚えるのです。1年間の歩みの中で、3つの祭りを通して、神の救いの導きを覚え、感謝していくのです。
私たちも、教会暦の中で、大切な3つを守っています。イースター、ペンテコステ、クリスマスです。イエス様の復活、聖霊が弟子たちにくだったことによって教会の誕生、イエス様の誕生日です。過越し祭は、イースターにつながり、七週祭は、ペンテコステにつながっていきます。仮庵祭は、収穫感謝日です。
祈り 神よ。聖書の学びと祈りの時をありがとうございました。イスラエルの人々が3つの祭りを祝いことによって、神の救いと導きを覚えていきました。3つの祭りごとに、神のしてくださった大きな恵みを覚えるのです。私たちも、イースター、ペンテコステ、クリスマスを祝います。この時に、神のしてくださった大きな御業を思い出し、感謝して歩んでいくのです。神の導きに感謝して、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
皆様の祈り「 」アーメン。
共に祈ってくださり、ありがとうございました。(横山厚志)
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