6月11日の祈祷会の内容です。

seashore with sea waves during daytime 祈祷会
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祈祷会      サムエル記上12章「サムエルの告別説教」    2025.6.11

 サムエル記の内容は、イスラエルに新しく王が立てられるというものです。最初に立てられた王がサウルです。そのサウルに油を注いだのがサムエルです。サムエルは祭司として、士師として活躍をしました。特に大きな役割は、イスラエルの王を立てるということでした。イスラエルの新しい王を立てるということはサムエルにとって受け入れがたいことでしたが、神の意志があって従っていくのです。そのサムエルは晩年になり、自分の最後も近いと判断し、ここでイスラエルの人々に対して告別説教を行っています。

・12:1~7、サムエルは自分の歩みを振り返っている。

 サムエルは、イスラエルのすべての人々にいいます。「わたしは、あなたがたがわたしに求めたことについては、すべてあなた方の声に従い、あなたたちの上に王を立てた。わたしは年老いて、髪も白くなった。今からは王が、あなたたちを率いて歩む。今まで、わたしは誰かの牛を取り上げたことがあるか、誰かのろばを取り上げたことがあるか、だれかを抑えつけ、だれかを踏みにじったことがあるか、だれかの手から賄賂を取って何かを見逃したことがあるか、あるなら償おう」と。すると人々は「あなたは我々を押さえつけたことも、踏みにじったこともありませんでした。だれの手からも何一つ取り上げたこともしませんでした」と答えます。サムエルは「今日、あなたたちがわたしの手に何一つ訴えるべきことを見い出さなかったことについては、主が証人であり、油を注がれた方が証人だ」といいます。人々は、その通りだと答えています。

・12:8~11、イスラエルの歩みを振り返って

 サムエルはイスラエルの人々に今までの歩みと神の守りについて話します。「主は、モーセとアロンを用いて、あなたがたの先祖をエジプトに導いてくださった。ヤコブがエジプトに移り住んで、その後、先祖が主に助けを求めて叫んだ時、主はエジプトから導き上り、今の地に住まわせてくださった。しかし、あなたがたの先祖が、主を忘れたので、主はハツォルの軍の司令官シセラ、ペリシテ人、モアブの王の手に彼らを売り渡し、彼らを戦わせた。人々は主に向かって叫び、私たちは罪を犯しました。主を捨てて、バアルとアシュトレトに仕えました。どうか今、敵の手から救い出してください。我々はあなたに仕えます。すると、主はエルバアル、ベタン、エフタ、サムエルを遣わし、周囲の敵から救い出してくださった。それであなたがたは安全に住めるようになった」と。人々の罪があって、神は導き、イスラエルの人々を救い出してくださったのです。

・12:12~17、人々は王を求める。

 イスラエルの人々の歩みはいつも神が守り導いてくださったものです。しかし、アンモン人のナハシュが攻めて来たのを見ると、神はあなたがたの王であるにも関わらず、人間の王が我々の上に君臨すべきだといって、王を要求した。今、見なさい。あなたたちが求め、選んだ王がここにいる。主はあなたたちに王を与えてくださる。ここから大切なことは、人々が主を畏れ、主に仕え、御声に聞き従い、主の命令に背かず、王も神に従うなら、それでいいといいます。しかし、主の御声に聞き従わず、主の御命令に背くなら、主の裁きがあなた方の上に下る。今は小麦の収穫の時である。主は雷と雨を下される。それを見て、あなたたちは、自分たちのために王を求めて、主の前に犯した悪の大きかったことを知り、悟りなさいと答えています。サムエルは改めて、ここで人々が王を求めたことが主の前に悪であったことを伝えています。ここで、神はサムエルを通して、人々が王を求めたことが神の目に悪であることをはっきりと伝えています。

・12:18~19、人々の悔い改め

 サムエルが主を求めると、その日に、雷と雨を下されます。雷と雨は、神の裁きであると受け止めています。人々は皆、主とサムエルと恐れて「どうか、わたしたちのために、主に祈り、我々が死なないようにしてください。確かに、我々はあらゆる重い罪の上に、王と求めるという悪を加えました」といっています。ここで人々は悔い改めています。

・12:20~25、サムエルの言葉

 サムエルはイスラエルの人々の最後の言葉をいいます。「恐れることはありません。あなたたちはこのように悪を行ったが、今後はそれることなく主につき従い、心を尽くして主に仕えなさい。バアルなどの偶像は、空しいものだから何の力もなく、救う力もない。主は人々を決しておろそかにはしない。主はあなたたちをご自分の民と決めておられるからだ。わたしも、あなたたちのために祈ることをやめ、主に対して罪を犯すようなことは決してしない。あなたたちに正しく善い道を教えよう。主を畏れ、心を尽くし、まことをもって主に仕えなさい。悪を重ねるなら、主はあなたたちもあなたたちの王も滅ぼし去られるであろう」と。

 イスラエルの歩みの中で、王の登場は神への依存から人間の力の依存への転落です。これからのサウルの失脚を予見します。士師時代も王国時代も、祝福と裁きは神への従順にかかっています。このサムエルのメッセージは、時代が変わっても、神こそが真の指導者であるという普遍の真理を強調しています。目に見える権威といいますか、それに依存せず、神への信頼を本当に持っているかが問われています。イスラエルの中では、王が立てられても、真の王は神であるということです。人々も王も神に従うことが求められています。

祈り 神よ、聖書の学びと祈りの時を与えてくださり、ありがとうございました。イスラエルの人々が危機に陥った時に、目に見えるものに頼ってしまったことをみてきました。私たちも目に見えるものに頼ってしまう傾向があります。イスラエルの人々を導く神に、私たちを本当に導いてくださる神に従い、信頼して歩むことができるように導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。

皆様の祈り「                              」アーメン。

共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)

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