祈祷会 サムエル記下14:1~17「ダビデとヨアブ」 2026.5.27
ダビデはユダとイスラエルの王となりました。エルサレムを都として、王宮を建て、神の箱も設置しました。ダビデはイスラエル王国の建国の父となったのです。周辺の敵との戦いは続いていますが、王としての権威も確立していました。その時に、ダビデは罪を犯していくのです。自分の家来であるウリヤの妻を自分のものとしていきます。その時に、ダビデはウリヤを戦場の最前線に出し、あえて戦死させるような方法をとって殺してしまいました。このダビデの罪は神の御心に適わないことでした。神は預言者ナタンをダビデのところに遣わして、すべての罪を指摘するのです。ダビデの罪に対して、神はナタンを通してダビデに「剣はとこしえにあなたの家から離れることはない、あなたの家の者の中からあなたに対して悪を働く者を起そう」というのです。
これからダビデに次々に悲劇が襲って来ます。まず、ダビデの子どもたちの中で悲しい事件が起ります。ダビデの子アムノンが母は違う同じダビデの子であるアブサロムとその妹タマルがいましたが、アムノンはタマルを愛していましたが、病気を装ってタマルを自分の部屋に入れて、強制的に辱めてしまいました。タマルは深い悲しみに落とされてしまいます。タマルは兄アブサロムの家に行って身を置くのです。ダビデは、アムノンの罪を知って激しく怒りますが、怒ったままで何も行動に移すことはしませんでした。そのことが後で、大きな悲劇を生むことになります。アブサロムは妹タマルが辱められたことで、アムノンを憎悪します。それから2年が過ぎました。
アブサロムは羊の毛を刈る時が来たということで、ダビデや王子たちを招き、お祝いの席をもうけようとします。ダビデは遠慮して来ませんでした。お祝いの席でアムノンが酒に酔って上機嫌になった時に、アブサロムは家来に命じて、アムノンを殺してしまうのです。アブサロムはゲシュルの王アミフドの子タルマイのもとに逃げます。ダビデはアムノンの死を悼み続けました。それから3年後、アムノンの死を諦めたダビデの心はアブサロムを求めていたということです。
そして、今日の聖書の箇所になります。ヨアブはダビデ軍の将軍でした。ヨアブはダビデの心がアブサロムに向かっていると悟ります。そして、アブサロムをゲシュルからエルサレムに戻すために、ある作戦をします。それはテコアにいる1人の知恵のある女性を呼んで、その作戦を告げます。テコアの女性はダビデ王の前に来ると、地にひれ伏して礼をし、話を始めます。その話の内容は、自分はやもめであり、夫はすでに亡くなったこと、自分には2人の息子がいたこと、ところが2人は畑でいさかいを起し、間に入って助ける者もなく、1人が1人を打ち殺してしまったということでした。その上に、一族の者が、自分を責めて、兄弟殺しを引き渡せ。殺した兄弟の命の償いに彼を殺し、跡継ぎも絶とうといわれている。このままでは自分の跡継ぎもいなくなってしまうと。
それを聞いたダビデは「家に帰るがよい。お前のために命令を出そう。お前にあれこれ言う者がいたら、わたしのもとに連れて来なさい。その者がお前を煩わすことは二度とない。お前の息子の髪の毛一本たりとも落ちることない」といって、励ますのです。
ここからが本題です。テコアの女性はダビデに「王よ。それならなぜ、神の民に対してあなたはこのようにふるまわれるのですか。王自身、追放された方を連れ戻そうとはなさいません。王の今回の判断によれば、王は責められることになります」と告げます。この内容は、12章のナタンがダビデに告げたものと似ています。最初、1つのたとえを使います。そしてダビデの反応を引き出します。その反応を待って、その人はあなたですと答えるものです。テコアの女性の話は架空のもので、ダビデにアブサロムのことを出させるためのものです。これはヨアブが練った作戦です。
更にテコアの女性は続けます。「私たちは皆、死ぬべきもの、地に流されれば、再び集めることができない水のようなものでございます。神は、追放された者が、神からの追放されたままになることをお望みになりません。王に申し上げれば、王は必ず願いを適えてくださると思いました。神からいただいた嗣業の地からわたしと息子を断ち滅そうする者の手から救ってくださいます。わたしは王の言葉が慰めになると信じて参りました。王は、神のみ使いのように善と悪を聞き分けられます。神が共におられますよう」と。
このヨアブの作戦は成功し、ダビデはアブサロムをゲシュルからエルサレムに戻すことを許します。しかし、エルサレムに戻ったアブサロムとダビデは会うことを許しませんでした。それから2年後に、アブサロムはある行動を起し、ヨアブを通してダビデに会うことはできました。ダビデは完全にはアブサロムを許していなかったのでしょうか。ダビデのアブサロムに対する曖昧な行動は、アブサロムの反逆につながっていきます。イスラエルはダビデ軍とアブサロム軍に別れて内戦状態になっていきます。ダビデの1つの罪は雪だるま式にどんどん大きくなっていきます。ダビデは家族間の争いの中に置かれ、深い悲しみに落とされていくのです。その悲しみの中でダビデはどう生きていくのでしょうか。
祈り 神よ、聖書の学びと祈りの時を与えてくださり、ありがとうございました。ダビデとアブサロムを巡る様々なことをみてきました。ヨアブのこと、ヨアブに送られたテコアの女性の働き、いろいろな人の思いがあり、それが交錯し、新しい火種になっていこうとするのをみてきました。それは私たち自身にも関わる問題であると認識しています。自分の思いが中心でなく、神の御心が中心になっていくように求める心を与えてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
皆様の祈り「 」アーメン。
共に祈ってくださり、ありがとうございました。(横山厚志)


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