11月23日の礼拝の内容です、讃美歌は、200.289.402.432.26です。
礼拝説教 使徒20:1~6「言葉を尽くして励ます」 2025.11.23
今日の教会暦は、謝恩日(収穫感謝日)です。教会暦は、この日が最後となり、来週からは新しくなり、待降節に入っていきます。イエス・キリストの誕生を待つ日々を過ごし、12月21日には、クリスマス礼拝を迎えることになります。この1年の教会の歩みを神が支え守ってくださったことを感謝したいと思います。新しい年も、神に導かれ、良き歩みをすることができますようにと祈っていきたいと願います。
先週の月曜日から火曜日まで、愛知県蒲郡にある蒲郡温泉郷天の丸という場所で、中部教区教師研修会があり、参加して来ました。テーマは牧会における聴くことの意義、牧会カウンセリングに学ぶ傾聴の基本というものでした。講師は、吉祥寺教会の吉岡光人牧師です。参加者である教師は、礼拝説教や祈祷会など、語ることが主な働きとなっています。牧会という働きでは語るよりも聴くことが大切なこととなっています。実際に、聴くということは簡単なことではなくて、非常に難しい働きだと考えています。どうすれば、相談者の話を上手に聴くことができるのか、牧会学や牧会カウンセリングから学びつつ、牧会の現場での課題を分かち合う機会となりました。
吉岡牧師は幅広く牧会カウンセリングの学びを教えてくださいました。カウンセラーと来談者の面談の中で、沈黙というテーマが私の心に響いたのです。私自身、ホスピスでの対話や少年院での面談やその他、いろいろな場面で、来談者の話を聴くことが多くあります。話が終ってから、1人になって、あの方の話をしっかりと聴くことができたのか、自分の言葉から相手は語る言葉を話すことを止めてしまったのではないかと反省する日々です。対話や面談での沈黙があります。相手が何も話さない時間です。相手が沈黙してしまう。何も話してくれないと私自身が不安になり、思わず、何か話してくれませんか、や、自分の方から話し始めてしまう場合があります。カウンセリングという場面で、来談者は重い課題を抱えて、この場に来ているのです。相手が沈黙してしまう。そうなれば、来なければいいではないかとさえ思ってしまいます。この時に、吉岡牧師は、自分の体験として、ある先輩牧師から、沈黙について、次のようにいわれたことが忘れられないといっていました。それは、牧師である自分がカウンセラーで、相手が来談者になります。面談の中で、相手が沈黙してしまう。それは、そのままでいいのですと、そして、このカウンセリングの時間はいったい誰の者ですか。あなたの時間ですか。それとも相談に来ている来談者ですかと聞かれたというのです。もちろん、来談者の時間です。カウンセラーのあなたは、目の前にいる来談者のために、時間を使っているのです。来談者のための時間を大切にしてくださいということです。聴くということは、その通りだと思います。
話は変りまして、今日の聖書の箇所に入っていきます。パウロの第3回伝道旅行の後半の内容に入っていきます。エフェソでの騒動がありました。パウロは約3年間、エフェソに滞在していたのです。エフェソでは多くの人々がイエス・キリストの福音を聞き、教会に加わっていきました。パウロの伝道は成功したということができると思います。その伝道の成功が起した騒動ということができます。エフェソにはアルテミスの神殿があり、多くの人々に信仰されていました。ここに銀細工人デメトリオという人が出て来て、自分たちがアルテミス神殿の模型を銀で造り、多くのもうけがありました。ところが、パウロの伝道によって、人が造ったものは神ではないといったことで、その銀の模型が売れなくなってしまったのです。自分たちの仕事がなくなってしまう、生活ができなってしまう恐れから、パウロの伝道活動によって、自分たちの商売ができなくなってしまったことがきっかけですが、それが、エフェソの人々が大切に信じている女神アルテミスのへの信仰がないがしろにされていることで、大騒ぎになってしまったのです。エフェソにある野外劇場に多くの市民が集まり、アルテミスのことを褒め称えているのですが、「エフェソのアルテミスは偉い方」と何時間も叫び続けていくのです。集まった人々はあれらこれやとわめき立ちます。集会は混乱するだけで、多くの人々は何のために集まったのかさえ分からくなったのです。そこで、町の書記官が出て来て、適切な処置で、このエフェソの町での騒動は収まりました。
今日の聖書の箇所は、そのエフェソの町での騒動が終って、パウロは弟子たちを呼び集めて励まし、別れを告げてからマケドニア州に出発して行きます。そして、この地方を巡り歩き、言葉を尽くして、人々を励ましながら、ギリシアに行きます。ギリシアでは3ケ月を過したとあります。第3回伝道旅行も終りが見えて来ました。今日の聖書の箇所は短いですが、聖書地図のパウロの第3回伝道旅行の行程を見て行きますと、多くの移動があったことに気づきます。この間に、パウロはコリント教会との多くの問題があって、対応することになっていました。コリント書を読みますと、そのことが分かって来ます。そして、3ケ月というのはコリントといわれています。ここで、パウロはローマ書を書いたともいわれているです。パウロはギリシアから船出して、シリア州に向かって船出しようとしていた時に、パウロに対するユダヤ人の陰謀があったので、マケドニア州を通って帰ることにしています。
ここで同行している人の名前が出てきます。ピロの子でベレア出身のソパトロ、テサロニケのアリスタルコとセクシド、デルベのガイオ、テモテ、それにアジア州出身のティキコとトロフィモです。この人たちは、先に出発してトロアスで、パウロたちを待っていましたが、パウロたちは除酵祭の後、フィリピから船出し、5日でトロアスに来て、同行者と落ち合い、7日間トロアスで滞在しています。
この7人の同行者ですが、実はある任務を負っていたのです。彼らはパウロの呼びかけで、エルサレム教会への献金を持っていました。パウロのエルサレム教会への献金は、単なる資金援助ではなくて、初代教会にとって信仰、一致、福音の証に関わる大きな意味を持っていたのです。なぜ、エルサレム教会への献金が必要だったのでしょうか。当時、エルサレム教会は深刻な貧困状態にあったといわれています。エルサレムのユダヤ人キリスト者の多くは、社会的迫害や経済的困窮に直面していたのです。当時、エルサレムをはじめ、近くの地域では大飢饉が起ったといわれています。そのために、異邦人教会からの支援が必要だったのです。
パウロがエルサレム教会への献金を強く推進した理由は、ユダヤ人教会と異邦人教会を結び付けるためでした。実際に、ユダヤ人キリスト者と異邦人キリスト者の間には大きな溝があったといわれています。その溝をパウロは埋めたかったのです。また、パウロによって献金は神の恵みに感謝するものでした。こうして、教会全体が互いに助け合うことが大切なこととしてパウロは考えていたのです。コリント書を読むと迫害と貧困にあったマケドニアの教会が自ら進んで喜んで献金したことをパウロは模範として紹介しています。パウロはコリント書で、献金の呼びかけをしています。コリント教会は最初の意気込みはあったのですが、停滞していました。パウロは丁寧に励まして、再び、献金を完成させようとします。
考えてみれば、すごいことだと思います。パウロの伝道の様子を見てきました。素晴らしい伝道の成果を見ることができます。一方で、ユダヤ人からの激しい抵抗といいますか、迫害や弾圧や、地域での騒動など多くの困難を抱えて伝道活動でした。大変な伝道活動をしながら、パウロは貧困と困難の中にあるエルサレム教会のことを忘れなかったのです。パウロの活動は伝道と献金を集めることをしていたのです。異邦人の教会の人々の大切な献金が集まりました。その大切な献金を安全にエルサレム教会に届けるために、信頼できる人々を選んで、エルサレム教会に届けるように手配して行くのです。先程の7人の同行者とは、そのような集めた献金を、エルサレム教会に届けるための人々なのです。
この7人の同行者と共に、パウロ自身も献金をエルサレム教会に直接届けるために、エルサレム教会に行こうとしています。そして、エルサレムに行って、教会に献金を届けてから、ユダヤ人に捕まり、ローマ帝国の保護のもとで、囚人としてローマに行くことになって行きます。パウロだけではなくて、多くの異邦人キリスト者が、貧しく困難の中にあるエルサレム教会のことを忘れず、それも献金という形で実現していくのです。素晴らしいことだと考えます。
ローマ8:32~35
わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。だれが神に選ばれた者たちを訴えるでしょう。人を義としてくださるのは神なのです。だれがわたしたちを罪に定めることができましょう。死んだ方、否、むしろ、復活させられた方であるキリスト・イエスが、神の右に座っていて、わたしたちのために執り成してくださるのです。だれが、キリストの愛からわたしたちを引き離すことができましょう。
私たちは、イエス・キリストの十字架によって救われた者として、パウロたちのように、苦しんでいる人々に何かできる思いと行動を与えてくださるように神に願っていきたいと思います。
祈り 神よ、謝恩日(収穫感謝日)のこの時に、あなたを礼拝することができましたことを心から感謝します。イエス・キリストの十字架の死によって、罪赦された私たちが、神を愛し、隣人に仕えることができる信仰を与えてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。


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