2月28日の祈祷会の内容です。

祈祷会
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祈祷会    ヨシュア記19:1~31「シメオン族とレビ族のその後」    2024.2.28

 ヨシュア記は、イスラエルの人々が神から示された約束の地を手に入れることと、12部族ごとにくじ引きで分けて入ることが書かれてあります。すでにヨルダン川東岸では、ルベン族、ガド族、マナセの半部族が土地を分けて入っています。ヨルダン川西岸では、ユダ族、ヨセフ(エフライム、マナセ)族が土地を分けています。すでに、5部族が土地を手に入れたことになっています。残りが7部族です。ヨシュア記18章では、ヨシュアが残っている7部族の人々に「あなたたちは、いつまでためらっているのだ。あななたちの先祖の神、主が既に与えられた土地を取りに行くだけなのだ。各部族から3人ずつ出しなさい。わたしは彼らを派遣し、この地方を巡回させ、嗣業の土地の記録を作り、戻って来てもらおう。そして、彼らに7つに分割させよう。土地を7つに分割したら、わたしはあなたたちのためにくじを引く」といい、土地を取得する準備をさせています。

ヨシュアによってくじが引かれます。最初に引いたのはべニヤミン族でした。2番目のくじがシメオン族、3番目のくじがゼブルン族、4番目のくじがイサカル族、5番目のくじがアシュル族となっています。ここではシメオン族について考えていきます。

ヨシュア記19:1,9

二番目のくじで割り当てを受けたのはシメオンで、シメオンの人々の部族が氏族ごとに割り当てを受けた。その嗣業の土地はユダの人々の嗣業の土地の間にあった。

シメオンの人々の嗣業の土地はユダの人々の領土の一部であった。ユダの人々への割り当て地が多すぎたため、ユダの嗣業の土地の中にシメオンの人々は嗣業の土地を受け継いだのである。

私たちの持っている新共同訳聖書の聖書地図3カナンへの定住によると、シメオン族の割り当て地は、ユダ族の中にあるのです。そして境界線はありません。完全にユダ族の中に入っていて、やがて、ユダ族の吸収されてしまいます。どうして、このような土地の割り当てがなされるのでしょうか。その理由は、創世記49章のヤコブの祝福の言葉の中にあります。

創世記49:5~7

シメオンとレビは似た兄弟。彼らの剣は暴力の道具。わたしの魂よ、彼らの謀議に加わるな。わたしの心よ、彼らの仲間に連なるな。彼らは怒りのままに人を殺し、思うがままに雄牛の足の筋を切った。呪われよ、彼らの怒りは激しく、憤りは甚だしいゆえに。わたしは彼らをヤコブの間に分け、イスラエルの間に散らす。

 ヤコブが死を前に、12人の子どもたちのために1人ずつ祝福を祈っています。シメオンとレビに対する祈りは、祝福という部分はほとんどありません。呪いの言葉といってもいいでしょう。これには創世記34章に背景があります。シケムでの出来事です。ヤコブの子どもたちの中に1人、女の子ディナがいました。彼女はヤコブとレアの間に生まれました。兄弟が、ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルンです。ある時に、ディナがシケムの土地の娘たちに会いに出かけています。その土地のヒビ人シケムがディナを見かけて捕らえ、共に寝て辱めたのです。シケムはディナを愛し、結婚したいと申し出ています。シケムがイスラエルの人々にディナとの結婚と互いに姻戚関係を結びたいといってきました。この時に、イスラエルの人々はシケムの人々に男性全員が割礼を受けるなら、姻戚関係を結んでもいいとしました。それで、シケムの男性全員が割礼を受けました。男性が苦しんでいる時に、シメオンとレビが剣を持って、シケムの男性をすべて殺してしまったのです。ヤコブは2人に苦情をいいましたが、「わたしたちの妹が娼婦のように扱われても構わないのですか」と反論しています。この時の態度を、ヤコブは祝福の時に、呪いの言葉としていっています。実は、このヤコブの言葉が実現して、シメオン族はユダ族の中に吸収させていきます。「イスラエルの間に散らす」という意味の実現です。

 シメオン族はそのようになっていきます。ではレビ族は、どうなっていくのでしょうか。レビ族には挽回する機会がありました。それが、出エジプト記32章の金の子牛の物語です。神はイスラエルの人々に律法を与えている時に、金の子牛の像を造って拝んでしまったのです。この時に、レビ人は神の従うという行動をしました。この時にレビ人は祭司職と役割を与えられていくのです。後に、レビ人は祭司として歩んで行くことになります。ヨシュア記の時にも、祭司として土地は与えられないということになっています。レビ人はその後、どのようになっていくのでしょうか。

ルカ1:5

ユダヤの王ヘロデの時代、アビヤ組の祭司にザカリアという人がいた。その妻はアロン家の娘の一人で、名をエリサベトといった。

 洗礼者ヨハネの両親は祭司の家系でした。妻はアロン家の娘の1人となっています。つまり、イエス・キリストの時代にも、レビ人は祭司として歩んでいくことができています。イスラエルの12部族がユダ族のみとなり、その他は消えてしまっているようです。私たちが今、ヨシュア記を学ぶことは、その時その時の神の導きを知ることと、聖書全体を通して神の御心を知ることが大切だと思います。

祈り 神よ。聖書の学びと祈りの時を与えてくださり、ありがとうございます。約束の土地の取得の時に、シメオン族のことを見てきました。彼らはユダ族の中に、その土地が与えられました。そして、やがてユダ族の中に吸収されていきました。シメオンのかつての行動がそのようにさせたのです。シメオンと共に行動を共にしたレビは、大きく挽回するチャンスがあり、後の歴史の中に生き続けていきます。イスラエルの12の部族の歩みを通して、私たちは何を学ぶのでしょうか。神からの導きを願うのです。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。

皆さんの祈り「                               」アーメン。

共に祈ってくださり、ありがとうございました。(横山厚志)

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