7月13日の祈祷会の内容です。

祈祷会
OLYMPUS DIGITAL CAMERA

祈祷会      民数記23章「モアブの王バラクと占い師バラム」     2022.7.13

 荒れ野の40年の歩みを終えようとしているイスラエルの人々、約束の地カナンは目の前に近づいています。イスラエルの人々は、アモリ人の王シホンとバシャンの王オグを破り、彼らの土地を占領しました。そのことを見ていたモアブの王バラクは、このままでは自分たちの土地もイスラエルの人々に奪われてしまうと危機感を感じていました。その時に、占い師であるバラムを呼んで、イスラエルの人々を呪ってもらい、弱くし、破ることができると思い、実行します。このバラクとバラムの物語は、民数記22章~24章にかけて書かれてあります。今までの民数記の流れは、神とモーセというものでしたが、ここでは神とバラムというものになっています。そして、特徴的なことは、イスラエルの人々は今まで多くの罪を犯し、神に反抗していましたが、ここでは、忠実な僕としての姿を描いています。

 モアブの王バラクは、占い師バラムを招こうと使者を送ります。最初は、神の指示によって、バラムは行くことを拒否します。バラクはそれでも諦めずに再び使者を送ります。二度目には、神はバラムが行くことを許可します。その時に、神の言葉のみを語ることを強調しています。バラムはバラクのところに行くことができました。バラクは喜び、さっそく、イスラエルの人々の一部が見える場所に、バラムを連れて行きます。それが、今日の民数記23章の初めの内容です。

・1~12、バラムの託宣①

 バラムは、バラクにこの場所に7つの祭壇を築き、7頭の雄牛と雄羊を用意し、ささげるようにいいます。そして、バラムは神からの言葉を聞こうと丘の頂に行きました。神はバラムに言葉を語りました。その言葉をバラムは、バラクのもとに行って、語ります。これがバラムの第1回目の神からの託宣となります。その託宣は「バラクはわたしを連れて来た。来て、わたしのためにヤコブを呪え。来て、イスラエルをののしれ。神が呪いをかけぬものに、どうして、わたしが呪いをかけられよう。主がののしらぬものを、どうしてわたしがののしれよう。誰がヤコブの砂粒を数えられようか。誰がイスラエルの無数の民を数えられようか。わたしは正しい人が死ぬように死に、わたしの終わりは彼らと同じようにありたい。」というものです。バラクは「あなたは、何ということをしたのですか。わたしは敵に呪いをかけるために、あなたを連れて来たのに、あなたは彼らを祝福してしまった。」といいます。バラムは「主がわたしの口に授けること、わたしはそれだけを忠実に告げるのです。」と答えています。バラクの願いと、バラムの託宣はまったく違うものでした。神の言葉が強調されています。

・13~26、バラムの託宣②

 バラクはバラムをピスガの頂に連れて行き、イスラエルの人々を呪ってほしいといいます。そこでは、7つの祭壇を築き、どの祭壇にも雄牛と雄羊をささげました。神はバラムにあい、言葉を授けました。バラムはバラクに神からの託宣をします。二回目です。バラムは「立て、バラクよ、聞け。わたしに耳を傾けよ。神は人ではないから偽ることはない。人の子ではないから、悔いることもない。見よ、祝福の命令をわたしは受けた。神の祝福されたものを、わたしが取り消すことはできない。だれもヤコブのうちに災いを認めず、イスラエルのうちに悩みを見る者はない。ヤコブのうちにまじないはなく、イスラエルのうちに占いはない。」といいました。バラクは「彼らに呪いをかけることができないなら、祝福もしないでください。」といいます。バラムは「わたしは、主が告げされることだけをする、といったではありませんか。」と答えています。1回目と2回目は、同じ内容になっています。神の言葉を語ることが強調されています。

・27~30、バラムの託宣③

 2回もバラクの計画は失敗しています。それでも、バラムに期待し、イスラエルの人々を呪ってもらうことに託しています。バラクは「それでは、あなたを別な場所に連れて行きましょう。たぶん、神が正しいとされ、そこからなら、わたしのために彼らに呪いをかけることができるかもしれません。」とバラムにいい、ぺオルの頂に行きました。ここに7つの祭壇を築き、7頭の雄牛と7頭の雄羊を用意し、ささげています。この続きは、24章になります。3回目もバラムは、イスラエルの人々を祝福してしまうのです。バラクは激しく怒り、手を打ち鳴らしながら、バラムにいいます。「敵に呪いをかけるために招いたのに、見よ、お前は三度も祝福した。自分の所に帰るがよい。お前を大いに優遇するつもりだったが、主がそれを差し止められたのだ。」と。やがて、バラムは、自分の所に帰って行き、バラクも自分の道を去って行きました。

 このバラムとバラクの物語は、占い師バラムを神が用いて、イスラエルの人々を祝福し、モアブ王バラクの手から救われるというものです。マタイによる福音書の2章では、クリスマスの出来事の時に、遠く東の国から占星術の学者たちがやって来て、イエス様の誕生をお祝いすることが書かれてあります。旧約聖書では、神の救いはイスラエルの人々を中心に展開していきますが、このように異邦人を用いて、神の救いを行うことがあることを、私たちに教えています。神はイスラエルの人々を選んでいますが、それは、やがて、すべての人々を救うためなのです。

祈り 神よ。このように聖書の学びをすることができましたことを、感謝します。神は、その救いの業を、イスラエルの人々だけではなく、異邦人をも用いられることを教えられました。あなたの御心を正しく知ることができますように、私たちにあなたの知恵を与えてください。この願いを、イエス様のお名前によって、祈ります。アーメン。

皆様の祈り「                               」アーメン。

共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)

コメント