3月12日の礼拝の内容です。

礼拝
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3月12の礼拝の内容です。讃美歌は211(1)405(2.3)29です。              

礼拝説教          使徒1:1~2「聖霊の働き」      2023.3.12

 3月の第2の日曜日を迎えました。1週間の初めの日曜日に、このように神を礼拝することができますことを心から神に感謝したいと思います。神のみ言葉をいただいて、よりよい1週間の歩みをしていきたいと願います。

 マタイによる福音書を約4年かけて読んできました。それも先週で読み終えることができました。イエス・キリストの働きをよく知ることができました。そして、今日からは使徒言行録を読んでいきます。どうして、使徒言行録かといえば、先週にお話をしたことですが、マタイによる福音書の最後の部分です。そこには、イエス様による11人の弟子たちに対する大宣教命令というのがありました。

マタイ28:18~20

「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」

 イエス・キリストは、十字架につけられて殺され、墓に葬られました。しかし、3日目に復活されたのです。復活されたイエス様がガリラヤで、11人の弟子たちに会われました。そこで、イエス様は弟子たちに、これからの神の救いの出来事、神の救いのことを弟子たちに委ねるのです。それが、イエス様の弟子たちに対する大宣教命令です。弟子たちは、世界中に出て行って、イエス・キリストの福音を伝えていくことも求められています。世界中の人々が、イエス様の弟子になるようにといわれます。このイエス様の大宣教命令を受けて、使徒言行録が始まって行きます。使徒言行録は、イエス様の大宣教命令を受けた11人の弟子たちのその後の行動が書かれているのです。

 この使徒言行録の著者はルカといわれています。ルカによる福音書を書いた人です。ルカは、このルカによる福音書を書いた後で、この使徒言行録を書いたといわれています。ルカによる福音書と使徒言行録はそのような意味でつながっています。ルカによる福音書の最後の部分を見てみましょう。

ルカ24:45~49

そしてイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心の目を開いて、言われた。「次のように書いてある。『メシアは苦しみを受け、三日目に死者の中から復活する。また、罪の赦しを得させる悔い改めが、その名によってあらゆる国の人々に宣べ伝えられる』と。エルサレムから始めて、あなたがたはこれらのことの証人となる。わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」

 このルカの最後の部分とマタイの最後の部分は当然、似ているものです。違いは「わたしは、父が約束されたものをあなたがたに送る。高い所からの力に覆われるまでは、都にとどまっていなさい。」といわれているものです。これは、神は、後に聖霊を送るので、それまで、エルサレムに留まっているようにといっているものです。ルカによる福音書と使徒言行録の間には、聖霊の働きが強調されているのが分かります。

 使徒言行録の著者がルカだといいました。このルカについては、新約聖書にはあまり触れられていません。分かっていることは、ルカが医者だったということ、また、使徒パウロの伝道旅行の同伴者といわれています。このルカの働きは、パウロの伝道旅行の途中から合流することになっています。パウロは重い病気を持っていたといわれています。パウロはその伝道旅行の途中で、病気のために、伝道旅行を中断しなければならない時がありました。そのパウロの病気を見るために、医者だったルカが合流したということになります。パウロの伝道旅行の後半は、ずっとこのルカが同伴していたといわれています。ルカは、パウロの活動を自分の目線で、リアルに書いています。そして、ルカは異邦人だったといわれています。ルカによる福音書や使徒言行録の著者が、異邦人だったというのはとても意味のあることだと思います。イエス・キリストの福音は、最初は、イスラエルの人々に与えられていました。それが、やがて、異邦人にも与えられていくのです。その様子を、ルカは丁寧に書いています。

 ルカによって書かれたこの使徒言行録ですが、最初の教会の活動を知るためには、とても大切な書物です。これがなければ、私たちは最初の教会の活動を知ることがとても困難なことになってしまいます。そして、ルカの書いた使徒言行録ですが、あて先は、またはどのような目的で書かれたのでしょうか。使徒1:1に「テオフィロさま」とあります。これは、ルカによる福音書の最初にも書かれてあります。

ルカ1:1~4

わたしたちの間で実現した事柄について、最初から目撃して御言葉のために働いた人々がわたしたちに伝えたとおりに、物語を書き連ねようと、多くの人々が既に手を着けています。そこで、敬愛するテオフィロさま、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、順序正しく書いてあなたに献呈するのがよいと思いました。お受けになった教えが確実なものであることを、よく分かっていただきたいのであります。

使徒1:1~2

テオフィロさま、わたしは先に第一巻を著して、イエスが行い、また教え始めてから、お選びになった使徒たちに聖霊を通して指図を与え、天に上げられた日までのすべてのことについて書き記しました。

 ルカは、このように自分の記した2つの書物が、テオフィロにあてて書いたものであることをいっています。テオフィロは、ローマ政府の高官であったと考えられています。イエス様の時代や、パウロの時代は、当時の世界をローマ帝国が支配していました。ローマの平和といわれ、世界中の人々は、安心して、行動することができていました。パウロによる伝道旅行も、このローマによる平和があって成し遂げられた部分はとても大きいのです。ルカとテオフィロの関係について、このような話があります。ルカは最初、テオフィロの主治医であった、当時、医者は奴隷だったということです。テオフィロが重い病気になりました。それをルカが治療し、回復し、元気になることができたのです。喜んだテオフィロは、ルカを自由の身にしたというのです。そして、ローマ政府の高官であったテオフィロに、ルカは、自分が信じているキリスト教の健全性を訴えて、擁護してもらうために、この2つの書を書いたといわれています。キリスト教は安全で健全な宗教であると証明するために、書かれたのです。

 使徒言行録の内容ですが、イエス・キリストの福音が、エルサレムから始まって、やがて、当時の世界の中心であったローマまで伝えられていく、約30年の出来事が書かれてあります。使徒言行録ですが、11人の弟子たちの活動となるといいますが、実際には、最初はペトロ、そして後半はパウロになっていきます。特に、パウロの働きがとても大きなものになっていくことが分かります。そして、忘れてはならないことは、聖霊の働きです。神から送られた聖霊によって、パウロは、その働きをしていくことができていくのです。聖霊の働きがなければ、パウロの活躍も、イエス・キリストの福音も、このように伝わっていくことは不可能だったと思います。この使徒言行録を通して、ペトロやパウロの活躍、そして、聖霊がいかに働いていくのかを見ていきたいと思います。この聖霊の働きが、後に、イエス・キリストの福音が宣教師たちによって、日本に伝えられて、やがて、愛知県瀬戸市にも伝えられて、瀬戸永泉教会が創立し、今日に至っています。使徒言行録を読みながら、また私たちの教会がどうあるべきかを見ていきたいと願っています。

祈り 神よ。このようにあなたを礼拝することができましたことを、心から感謝します。あなたの聖霊によって、教会の歩みはスタートしていきます。教会の歩みは、この聖霊の働きが大きいことを思います。使徒言行録を読むことによって、あなたの力である聖霊の働きを、より知ることができますように、導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって、祈ります。アーメン。

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