5月4日の祈祷会の内容です。

祈祷会

祈祷会       民数記16章「コラの反逆と神の介入」   2022.5.4

 エジプトで長い間、奴隷だったイスラエルの人々はモーセに導かれて、エジプトを出ることができました。イスラエルの人々は、神が約束の地として与えてくださったカナンの地を目指して歩んでいくのです。シナイの荒れ野で、神はイスラエルの人々と契約を結びました。神は、イスラエルの人々の神のなり、イスラエルの人々は神の民になるということでした。神の民として歩むということは、神の御心にそって歩むことを意味していました。神の教えに従って歩むということです。神は、イスラエルの人々に、神の民として生きるために、細かい指示を与えていきました。荒れ野の旅をしながら、目的地であるカナンが見えてくる所までやってきました。そこで、イスラエルの人々は、偵察に行った結果として約束の地に入ることを拒否してしまったのです。そこで、神の怒りにあい、イスラエルの人々は荒れ野で、40年間さまようことになったのです。

 民数記の16章~19章までには、その40年の間に起ったことが書かれてあります。民数記の20章からは、新しいイスラエルの人々の歩みが始まっていきます。今日の民数記16章は、コラ、ダタン、アブラムの反逆のことが書かれてあります。レビの子ケハトの孫でイツハルの子であるコラです。そのコラが、ダタンとアブラムとオンと組み、また共同体の指導者250名を仲間に入れ、モーセに反逆します。(オンは、途中で消えています。仲間には入らなかったのかもしれません。)コラはモーセに「あなたたちは分を超えている。共同体全体、彼ら全体が聖なる者であって、主がそこにおられるのに、なぜ、あなたたちは主の会衆の上に立とうとするのか」と、いうのです。この背景ですが、神はレビ人に幕屋の仕事をさせるという特別な役割を与えました。レビの子らにゲルション、ケハト、メラリがいるのですが、ゲルション族には幕屋の幕などを運ぶ仕事、メラリ族には幕屋の板などを運ぶ仕事が与えられています。ケハト族には幕屋の大切な部分、契約の箱などを運ぶ仕事が与えられていました。ケハト族には、他の部族より、幕屋の大切な部分が与えられていたといってもいいと思います。

 幕屋の大切な仕事、祭司としての働きがあります。それは、アロンの子らだけが与えられているものでした。コラは、自分たちは幕屋の大切な物は運ぶけれども、祭司としての役割がしたいと思ったのでしょう。コラは、イスラエルの人々全体が聖なる者だといいますが、その通りです。しかし、祭司としての役割を決めたのは、神ご自身です。モーセは、コラの言葉を聞いた時に、面を伏せています。モーセの謙遜さが現れているのでしょう。モーセはコラに「主は、明日の朝、主に属する者、聖とされる者を示して、その人をご自身のもとに近づけられる。コラとその仲間は、すべて香炉を用意し、それに炭火を入れ、香をたいて、明日、主のみ前に出なさい。その時に、主がお選びになるのが聖なる者なのだ」といいました。更にモーセはコラに「レビの子らよ。神はあなたたちをイスラエルの人々から取り分けられた者として、主の幕屋の仕事を与えられている。それを不足とするのか。あなたたちは祭司職をも要求するのか」と、いいます。

 モーセはコラに「明日、あなたとあなたの仲間すべて、アロンと共に主のみ前に出なさい。あなたたちはおのおの香炉を取り、それに香を載せ、主のみ前に持って来なさい」と、いいました。彼らはおのおの香炉を取り、それに炭火を入れ、香を載せ、モーセとアロンと共に幕屋の入り口に立ちました。コラは、イスラエルの人々、共同体全体を集め、幕屋の入り口でモーセとアロンに相対したのです。この時に、主の栄光は共同体全体に現れました。主はモーセとアロンにいいました。「この共同体全体と分かれて立ちなさい。わたしは直ちに彼らを滅ぼす」と。モーセとアロンはひれ伏して「神よ。すべて肉なるものに霊を与えられる神よ。あなたは1人が罪を犯すと、共同体全体に怒りを下されるのですか」ととりなしの祈りをするのです。モーセとアロンは、コラにこれほどまでいわれても、とりなしをしているのです。主はモーセに「コラ、ダタン、アブラムの住まいの周りから離れるように、共同体に告げなさい」といいました。モーセは立ち上がり、共同体に「この神に逆らう者どもから離れなさい。彼らの持ち物には一切触れてはならない。さまもないと、彼らの罪のために、あなたたちも滅びる」といいました。共同体は、コラらの住まいから離れました。

 モーセは「主が祭司職を決められたのであって、私が自分勝手にしたことではない。もし、この人たちが人の普通の死に方で死に、人の普通の運命に会うならば、主がわたしを遣わしたのではない。だが、もし主が新しいことを創造されて、大地が口を開き、コラらに属するものをすべて呑み込み、コラらが生きたまま陰府に落ちるならば、この者たちが主をないがしろにしたことを知るであろう」といい終るとすぐに、コラらの足もとの大地が裂けました。地は口を開き、コラらの仲間たち、その持ち物一切を、家もろとも呑み込みました。コラらは生きたまま、陰府へ落ち、地がそれを覆いました。コラらの周りにいた共同体は、コラらの叫び声を聞いて、大地に呑み込まれることがないようにといって逃げました。

 この民数記16章には、同じレビ人であり、幕屋の関係の仕事を与えられたコラが、アロンの子らの祭司職に就きたいと思い、モーセに反逆をした事件です。コラの仕掛けが、イスラエルの人々、共同体全体に影響を与えました。一歩間違えば、イスラエルの人々全体が、神の裁きによって、滅ぼされてしまうことになってしまうという大変なことでした。モーセらの神へのとりなしの祈りがあって、イスラエルの人々、共同体全体が滅びることは避けることはできましたが、人の罪と、神の介入といいますか。神の圧倒的な力をみるのです。それでも、モーセらのとりなしの祈りを聞いてくださる方でもあります。神とはどのようなお方を、この民数記の学びを通して、よく知ることができます。

祈り 神よ。民数記の学びと祈る時を与えてくださり、ありがとうございました。人の罪についてと、あなたの人の罪に対して、いかに厳しく対応しているのかを知ることができました。この結果が、イエス・キリストの十字架の死につながっていくのですね。十字架の死の意味をよく知ることができますように、導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって、祈ります。アーメン。

皆様の祈り「                           」アーメン。

共に祈ってくださり、ありがとうございました。(横山厚志)

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