11月30日の祈祷会の内容です。

祈祷会

祈祷会      申命記2:1~23「北へ向かって行きなさい」    2022.11.30

 申命記の内容は、エジプトを出たイスラエルの人々が、40年に渡る荒れ野の旅を経て、約束の地カナンを目に前にするヨルダン川の東側モアブの荒れ野までやって来ました。これから人々は約束の地に入るわけですが、ここでモーセが人々に、約束の地に入って、どのように神の民として生きていけばいいのか神からの命令を語っているものです。モーセは、ここで亡くなってしまうので、モーセの告別説教ということもできます。

 40年前に人々は、約束の地を目に前にするカデシュ・バルネアまで、やって来ました。しかし、ここで人々は約束の地を入ることを拒否したのでした。神は怒り、人々に対して40年間荒れ野をさまようことを伝えました。この40年の放浪の間に、約束の地に入ることを拒否した人々は死に絶えたのでした。ここでは、人々の子どもたちが約束の地に入ることになりました。40年間、荒れ野でさまよっていた人々に対して、神はモーセを通して、「北に向かって行きなさい」と命じました。再び、イスラエルの人々は、約束の地に向かって行進していくのです。

 北進していくと、エサウの子孫の人々の地、ロトの子孫の地モアブとアンモン人の住んでいる人々の土地を通過することになります。神はモーセを通して、イスラエルの人々に「これらの土地は、エサウやロトの子孫の人々の大切な土地だから、通過しなさい」と命じています。神は、イスラエルの人々に対して約束の地を与えるだけではなく、イスラエルの人々の関係者であるエサウの子孫とロトの子孫にも、土地を与えているのです。

 ここからは、創世記に戻って、エサウのことやロトのその娘たちのことについて触れてみたいと思います。イスラエルは、アブラハム、イサク、ヤコブと続いていきます。イサクの子どもとしてエサウとヤコブは双子として生まれました。長子の特権と権利は、長男であるエサウが継ぐはずでしたが、弟のヤコブが受け取ってしまったのです。ひどい手段で、長子の権利と祝福を奪ってしまったので、兄エサウは、弟ヤコブに対して、深い憎しみを持ち、殺意まで持つようになりました。そのために、ヤコブは自分の家から逃げて、遠く母の故郷まで逃げてしまうことになりました。それから、20年の月日が流れ、ヤコブは兄エサウと再会することになりました。不安の恐れの中にあったヤコブを、兄エサウはやさしく包んでくれました。涙の再会となったのです。ヤコブが家に戻ったことで、エサウは別な場所に移動して行きました。それが、このエサウの子孫の土地ということになっていったのです。

 ロトですが、アブラハムの兄弟ハランの息子になります。創世記12章の初めで、アブラハムはこのロトと一緒に旅を続けて行きました。カナンの土地までやって来て、アブラハムはロトと別れることになります。ロトはやがて神によって滅ぼされるソドムとゴモラの町に定住するようになります。ソドムとゴモラの人々が悪いことを行っているのを見て、神はこの2つの町を滅ぼすことになります。神は、ロトを助けるために、み使いを送り、助けました。ロトの妻は逃げる時に、後ろを振り向いたために、塩の柱になってしまったといわれています。ロトには二人の娘たちがいました。ロトと娘たちがその後、どうなっていくかですが、次のようになっていきます。

創世記19:30~38

ロトはツォアルを出て、二人の娘と山の中に住んだ。ツォアルに住むのを恐れたからである。彼は洞穴に二人の娘と住んだ。姉は妹に言った。父も年老いてきました。この辺りには、世のしきたりに従って、わたしたちのところへ来てくれる男の人はいません。さあ、父にぶどう酒を飲ませ、床を共にし、父から子種を受けましょう。」娘たちはその夜、父親にぶどう酒を飲ませ、姉がまず、父親のところへ入って寝た。父親は、娘が寝に来たのも立ち去ったのも気がつかなかった。あくる日、姉は妹に言った。わたしは夕べ父と寝ました。今晩も父にぶどう酒を飲ませて、あなたが行って父と床を共にし、父から子種をいただきましょう。」娘たちはその夜もまた、父親にぶどう酒を飲ませ、妹が父親のところへ行って寝た。父親は、娘が寝に来たのも立ち去ったのも気がつかなかった。このようにして、ロトの二人の娘は父の子を身ごもり、やがて、姉は男の子を産み、モアブ(父親より)と名付けた。彼は今日のモアブ人の先祖である。妹もまた男の子を産み、ベン・アミ(わたしの肉親の子)と名付けた。彼は今日のアンモンの人々の先祖である。

 ロトの子孫のモアブとアンモン人ですが、ロトの娘のうち姉の子がモアブ、妹の子がアンモン人になっていくということです。父親が、姉妹にしてみれば、自分の父親ということになります。イスラエルの人々が、約束の地に向かって行く途中に、関係者であるエサウの子孫とロトの子孫であるモアブとアンモン人の土地に対して、深い配慮を行っていることが強調されています。繰り返しになりますが、イスラエルの人々には約束の地カナンが与えられますが、エサウの子孫、ロトの子孫であるモアブとアンモン人の人々にも、神はそれぞれの土地を与えているということです。イスラエルの人々の流れから外れた人々も、神の配慮の対象になっているということです。神の御心の一部を知ることができます。

祈り 神よ、祈りと申命記の学びをすることができましたことを心から感謝します。旧約聖書を通して、神の御心を知ることができます。私たちにあなたを知る知恵を与えてください。少しでも、あなたのことを正しく理解し、信じることができるように導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって、祈ります。アーメン。

皆様の祈り「                           」アーメン。

共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)

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