10月12日の祈祷会の内容です。

祈祷会

祈祷会      民数記33章「荒れ野の40年とその後」    2022.10.12

 モーセは、80歳になった時に、神の導きを受けて、イスラエルの人々の救いのために立ち上がりました。それまで、イスラエルの人々は、エジプトで長い間、奴隷として苦しい日々を送っていました。なぜ、自分がと最初は感じていたのでしょう。エジプトからの解放、出エジプトは神の大切な働きになっていきました。エジプトを出て、荒れ野の旅を経て、今や約束の地カナンを目の前にしています。この後、モーセは自分の死を知っていました。後継者ヨシュアが決められていて、自分の役割が終りに近づいていることを感じているのです。そして、この33章では、エジプトからモアブの荒れ野まで、エジプトを出てから、荒れ野の旅を40年続けて、まもなく目的地カナンに入ろうとしています。そこで、今までの道のりを振り返っているのです。

・1~4、出発

・5~15、ラメシス~シナイの荒れ野

・16~18、シナイの荒れ野~りトマ

・19~40、りトマ~ホル山

・41~49、ホル山~モアブの荒れ野

 以上が、その旅の工程になります。エジプト→シナイの荒れ野→カデシュ・パルネア→38年の放浪→モアブの荒れ野という流れです。イスラエルの人々がエジプトを出てから、モアブに至るまでの旅行記録です。多くの地名が出てきます。それらの地名がいったいどこにあったのかほとんど分かっていません。実際に、イスラエルの人々がどのような工程を歩んで来たのかを知ることができないのです。地名はその時代ごとに変っていきます。ずっと昔のこの地域の激しい歴史の変化を知ることはとても困難なことです。この33章の行程で分かっていることは、最初の出発の様子とホル山で祭司アロンが死んだことだけです。

 この荒れ野の40年の歩みを振り返ると、一番大切な約束の地を偵察に行って、入ることを拒否した事件、カデシュ・パルネアでのことを記載していないのは、どのようなことなのだろうと思います。1節に、モーセとアロンに導かれて、部隊ごとに、エジプトの国を出たイスラエルの人々はとありますが、最初から、各部族が軍隊として組織されていたことを意味します。モーセは、神の命令によって、その工程を書くように指示されています。イスラエルの人々がエジプトを出たのは、第1の月の15日にラメシスを出たと書いてあります。過越しの翌日にはもう出発しています。すべてのエジプト人の目の前を意気揚々と出て行ったとあります。エジプト人はその時、神によって撃たれたすべての初子を葬っていた時だったといいます。モーセは神の御手の大きさを感じたのでしょう。

 そして、ホル山での祭司アロンの死です。そのことが詳しく書かれてあります。メリバの水事件です。イスラエルの人々は飲む水がありませんでした。その時に、人々はモーセとアロンに文句をいうのです。人々は「どうして、自分たちをこのような荒れ野に連れて来たのか。自分たちをここで死なせるためか。エジプトに帰りたい。エジプトにはたくさんの果物の水もたくさんあった」と。モーセは神が示された岩をその杖で二度たたいてしまいました。神はモーセとアロンに対して怒り、あなたたちはわたしを信じることができず、イスラエルの人々の前に、神が聖であることを示さなかったということで、約束の地に入ることはできないとしたのです。少し前に姉のミリアムが亡くなり、祭司アロンもホル山の上で亡くなったのです。モーセはその時を振り返り、まもなく自分もその時を迎えると感じていたのでしょう。

・50~56、ヨルダン川を渡るにあたっての命令

 エリコに近いヨルダン川の対岸にあるモアブの平野で神はモーセにいわれます。「あなたはイスラエルの人々に次のように告げなさい。ヨルダン川を渡って、カナンの土地に入る時は、あなたたちの前から、その土地の住民をすべて追い払い、すべての石像と鋳像を粉砕し、異教の祭壇をことごとく破壊しなさい。あなたたちはその土地を得て、そこに住みなさい。わたしは、あなたたちがそこを得るように土地を与えた。氏族ごとに、くじを引いて、その土地を嗣業として受け継がせなさい。人数の多いものにはその嗣業の土地を多くし、少ないものには嗣業の土地を少なくしなさい。くじが当たったところがその所有になる。あなたたちの父祖以来の部族ごとに嗣業の土地を受け継がせなさい。」と。そして、警告して、「もし、その土地の住民をあなたたちの前から追い払わないならば、残しておいた者たちは、あなたたちの目に突き刺さるとげ、脇腹に刺さる茨となって、あなたたちが住む土地であなたたちを悩ますであろう」と、いいます。

 イスラエルの人々が、約束の地に入るということは、先住民をすべて追い出して、自分たちがそこに住むということです。その背景には、異邦人の偶像礼拝があるからです。十戒に「あなたはいかなる像も造ってはならない」とあるように、それを守るために、行うことが求められています。実際に、その神の警告は、どうだったのでしょうか。

士師1:28.2:11~12

イスラエルも、強くなってから、カナン人を強制労働に服させたが、徹底的に追い出すことはしなかった。イスラエルの人々は主の目に悪とされることを行い、バアルに仕えるものとなった。彼らは自分たちをエジプトの地から導き出した先祖の神、主を捨て、他の神々、周囲の国の神々に従い、これにひれ伏して、主を怒らせた。

このように、イスラエルの人々は、神の警告に関わらず、神への信仰を捨て、偶像礼拝に走っていきます。やがて、神の怒りにあい、厳しい状況になります。他民族の支配を受けるようになります。イスラエルの人々は苦しい状況が起って、神へ救いを求めることになります。その苦しみが解決すると、また神から離れてしまいます。イスラエルの人々は同じことを繰り返しています。私たちはどうでしょうか。

祈り 神よ。祈りと聖書の学びをすることができましたことを心から感謝します。イスラエルの人々の過ちを知り、私たちも同じように過ちをしていきます。どのような時でも、あなたを中心にして歩むことができるように導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって、祈ります。アーメン。

皆様の祈り「                          」アーメン。

共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)

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