祈祷会 申命記24章「弱い者への配慮」 2023.6.28
この申命記には、イスラエルの人々が約束の地において守るべき神の教えが書かれてあります。その内容は、社会の中で弱い者や貧しい者への配慮がなされているということです。イスラエルの社会の中で、いかによりよい社会になるかは、弱い者や貧しい者がいかに生きやすくなっているかにかかっているかということです。
24:1~4、再婚について
当時のイスラエルの人々の社会は男性中心の社会でした。そのことに注意しながら、申命記の内容をみていきましょう。男性が女性と結婚します。結婚生活が続き、男性がその妻に何か恥ずべきことを見い出して、気に入らなくなった時は、離縁状を書いて彼女の手に渡して、実家に去らせるのです。その女性が実家を出て行き、別の男性と結婚しました。次の男性も彼女を嫌って、離縁状を書き、それを手にして渡して家を去らせるか、あるいは彼女と結婚した次の男性が死んだならば、彼女と別れた最初の夫は、彼女と結婚することはできないということです。つまり、一度離婚した場合、男性の都合で離婚したのだから、再び、その女性と結婚することはできないというものです。女性の権利を守るために、そのようにしたのでしょう。(マタイ19:1~12では、イエス様の考えが書いてあります。)
24:5~22、人道上の規定
・人が新妻をめとったならば、兵役に服さず、いかなる公務も課せられず、1年間は自分の家のためにすべて免除されるというものです。人は結婚した妻を喜ばせなければならないといいます。
・ひきうすあるいはその上石を質に取ってはならないのです。食べるパンのために必要な料理道具として用いられていました。それは命そのものを質に取ることになるからだといいます。
・イスラエルの人々の中で、1人を誘拐して、これを奴隷のように扱うか、人を売るのを見つけたならば、誘拐した人を殺すようにと命じています。
・重い皮膚病については、細心の注意を払い、すべて祭司が支持するとおりに行うことが求められています。
・あなたが隣人に何らかの貸し付けをする時は、担保を取るために、その家に入ってはいけないのです。あなたは外にいて、あなたが貸す相手の人があなたのところに担保を持って出て来るのを待ちなさい。もし、その人が貧しい場合には、担保を取ったまま床に就いてはならないのです。日没には必ず担保を返しなさい。そうすれば、その人は自分の上着を掛けて寝ることができるというのです。イスラエルでは、当時、ふとんというのがなく、人が着ている上着がふとん代わりなのです。
・イスラエルの人々の中に住んでいる人、同胞であれ、寄留している人であれ、貧しく乏しい雇人を搾取してはならないとあります。労働した賃金はその日のうちに、日没前に支払わなければならないとあります。その人は貧しく、その賃金を当てにしているからです。
・父は子のゆえに死刑に定めてはならず、子は父のゆえに死刑に定めてはならないのです。人は、それぞれ自分の罪のゆえに死刑に定めされるべきとあります。当時は、家族の責任として一家が死刑になる場合があったのでしょう。それを禁じるものです。
・寄留者や孤児の権利をゆがめてはならないとあります。寡婦の着物を質に取ってはいけないとあります。
・畑で穀物を刈り入れする時、一束畑に忘れても、取りに戻ってはいけないのです。それは、寄留者、孤児、寡婦のものとするのです。オリーブの実を打ち落とす時には、後で枝をくまなく捜してはいけないのです。それは、寄留者、孤児、寡婦のものだからです。ぶどうの取り入れをする時も、後で摘み尽くしてはいけないのです。それは、寄留者、孤児、寡婦のものとするのです。
この1つ1つの教えをいう時に、エジプトで奴隷だった時のことを思い出しなさいといっています。イスラエルの人々が、エジプトで奴隷だった時は、このように寄留者、孤児、寡婦のような状態だったのでしょう。そのエジプトでの奴隷としての辛い体験が、今後に生きていくのです。イスラエルの人々のエジプトでの奴隷生活、約430年ありました。神の民としての訓練として受け取ることもできると思います。
私たちも日常生活の中で、辛いことや悲しいことや苦しいことがあります。それは、その時は辛いものですが、私たちはよりよく生きていくためには、必要な体験なのかもしれません。そのように後になって振り返ることができれば幸いです。
祈り 神よ。聖書の学びと祈る時を与えてくださり、ありがとうございます。イスラエルの人々が守るべき神の教えは、人々の中で特に、弱い人々や貧しい人々をいかに助けて生きていくかがいわれています。それは、私たちの生活の中でも生きていきます。日常生活の中で、生きていることをまず、神に感謝し、
弱い人々や貧しい人々のために祈ることができますように、導いてください。この願いを、イエス様のお名前によって祈ります。アーメン。
皆様の祈り「 」アーメン。
共に祈ってくださり、ありがとうございます。(横山厚志)
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