5月7日の礼拝の内容です。讃美歌は、18.197.402.436.88です。
礼拝説教 使徒1:21~26「主の復活の証人」 2023.5.7
5月の最初の日曜日を迎えました。1週間の初めの日曜日に、このように神を礼拝することができますことを心から感謝します。神のみ言葉をいただき、私達1人1人がよりよい1週間の歩みをすることができますように祈ります。
礼拝では、使徒言行録を読み始めています。使徒言行録は、イエス・キリストの福音がエルサレムから当時の世界の中心地であったローマにまで広がっていることが書かれてあります。今日の聖書の箇所は、イエス様がエルサレムで、十字架にかかり死なれ、墓に葬られ、3日目に復活されて、40日間、弟子たちと共に過ごされました。イエス様は弟子たちが見ている前で、神のみもとに帰って行かれました。弟子たちはイエス様が天に帰られるのを目の前で見ていたのです。イエス様は弟子たちに、やがて神から聖霊が与えられるから、そのままエルサレムに留まるようにといわれていました。この時から、10日後に聖霊が下るのです。約10日間の中で起ったことです。それは、弟子たちと婦人たち、イエス様の家族がエルサレムの大きな家の2階にいて、心を合わせて熱心に祈っていました。
そこで、ペトロは、12弟子の1人であったイスカリオテのユダが死んでしまったので、ユダに代る新しい弟子と選ぶことを提案します。弟子としての条件がいわれています。まず、イエス様と共に生活していたこと、つまり、ヨハネの洗礼から始まって、イエス様が天に上げられるまで、いつも一緒にいた者の中から1人選ばれるということです。イエス様の弟子として12人が立てられたので、12人に戻るということです。主の復活の証人となるのです。そこで、2人が選ばれました。バルサバと呼ばれ、ユストともいうヨセフとマティアです。ペトロは次のように祈りました。「すべての人の心を御存じである主よ、この2人のうちどちらかをお選びになったのかを、お示しください。ユダが自分の行くべき所に行くために離れてしまった、使徒としてのこの任務を継がせるためです。」と。
ここから2つのことを考えていきたいと思います。1つは、聖書が大切にしている数字の12です。もう1つは、くじ引きについてです。まず、聖書が大切にしている数字のことです。聖書を読むといくつかの数字が大切なこととして使われていることが分ります。7は、天地創造の時間です。これが1週間のもとになっていきます。次に10です。十戒がそれです。神の教えとして大切な内容です。そして、12ですが、イスラエルの12部族です。イスラエルの12部族については、このような聖書の箇所があります。
創世記35:23~26
ヤコブの息子は十二人であった。レアの息子がヤコブの長男ルベン、それからシメオン、レビ、ユダ、イサカル、ゼブルン、ラケルの息子がヨセフとベニヤミン、ラケルの召し使いビルハの息子がダンとナフタリ、レアの召し使いジルパの息子がガドとアシェルである。これらは、パダン・アラムで生まれたヤコブの息子たちである。
ここには、ヤコブの12人の兄弟たちの名前が出てきます。ここが、イスラエルの12部族のもとになったものです。この12人の名前ですが、このまま続いていくかといいますと違います。途中で、変っていきます。イスラエルの人々がエジプトを出て、荒れ野の旅を経て、約束の土地に入っていきます。そして約束の土地に征服と分割が行われます。そこには、レビとヨセフの名前はなくなり、ヨセフの2人の息子の名前が入っていきますマナセとエフライムです。レビは、祭司として土地は与えられませんでした。それで、このようになっていきます。ここで分ることは、名前ではなく、12という数字が大切だということです。旧約聖書では、イスラエルの12部族となっていますが、新約聖書では、イエス様の弟子たち12人ということになります。ユダがいなくなったので、12人に戻すために、新しいメンバーを入れる必要があったのです。ここでも12という数字が大切にされています。
次に、くじ引きです。ユダの代わりに、選ばれた2人のうち1人を選ぶために、くじ引きが選ばれているのです。くじ引きをして、マティアが当たり、11人の使徒の仲間に加えられることになっていきます。聖書の中において、このくじ引きはとても大切な決定をする時に使われています。特に、イスラエルの人々が約束の土地を部族ごとに分割する時に使われたのが、このくじ引きです。
民数記26:52~56
主はモーセに仰せになった。これらの人々にその名の数に従って、嗣業の土地を分配しなさい。人数の多い部族には多くの、少ない部族には少しの嗣業の土地を与えなさい。嗣業の土地はそれぞれ、登録された者に応じて与えられねばならない。ただし、土地はくじによって分配され、父祖以来の諸部族の名に従って継がれねばならない。嗣業の土地は、人数の多い部族と少ない部族の間で、くじの定めるところに従って分配されねばならない。
このように、約束の土地の分割に当たって、このくじ引きが用いられたのです。大切な土地の分割です。どこに自分達が住むかは大きな問題だったと思います。それが、このようなくじ引きにすれば、神の意志と受け止め、各部族の人々は、自分達の住む土地を受け入れることができたのでしょう。このくじ引きについて箴言には次のような言葉があります。
箴言16:33
くじは膝の上に投げるが、ふさわしい定めはすべて主から与えられる。
旧約の人々は、このくじ引きを、ふさわしい定め、決定は、すべて主から与えられると考えていたのです。このような共通認識があれば、くじ引きの決定が、主からのふさわしい定めと受け止めることができたのでしょう。
ヨナ1:7~16
さて、人々は互いに言った。「さあ、くじを引こう。誰のせいで、我々にこの災難がふりかかったのか、はっきりさせよう。」そこで、くじを引くとヨナに当たった。人々は彼に詰め寄って、「さあ、話してくれ。この災難が我々にふりかかったのは、誰のせいか。あなたは何の仕事で行くのか。どこから来たのか。国はどこで、どの民族の出身なのか」と言った。ヨナは彼らに言った。「わたしはヘブライ人だ。海と陸とを創造された天の神、主を畏れる者だ。」人々は非常に恐れ、ヨナに言った。「なんという事をしたのだ。」
人々はヨナが、主の前から逃げて来たことを知った。彼が白状したからである。彼らはヨナに言った。
「あなたをどうしたら、海が静まるのだろうか。」海は荒れる一方だった。ヨナは彼らに言った。「わたしの手足を捕らえて海にほうり込むがよい。そうすれば、海は穏やかになる。わたしのせいで、この大嵐があなたたちを見舞ったことは、わたしが知っている。」乗組員は船を漕いで陸に戻そうとしたが、できなかった。海がますます荒れて、襲いかかってきたからである。ついに、彼らは主に向かって叫んだ。
「ああ、主よ、この男の命のゆえに、滅ぼさないでください。無実の者を殺したといって責めないでください。主よ、すべてはあなたの御心のままなのですから。」彼らがヨナの手足を捕らえて海へほうり込むと、荒れ狂っていた海は静まった。人々は大いに主を畏れ、いけにえをささげ、誓いを立てた。
こヨナ書のように、人の命に関わることもくじ引きで決められているのです。人の命に関わること、そして、人の人生に関わることがくじ引きによって決まられていく。それを人々はどのように受け止めていくのでしょう。よくプロ野球のドラスト会議というのがあります。この時に行われるくじ引きによって、その選手の入団する球団が決められていく。人には判断が難しい時、選択が厳しい時、平等性ということを考えた時に、このくじ引きは素晴らしい選択の方法といってもいいのでしょう。
最初に戻りますが、くじ引きによって、マティアが当たりました。マティアは使徒の仲間として加えられていくことになります。そして、まもなく聖霊が、この使徒たちに下っていくことになります。教会の活動が本格的に始まります。当時の人々が考えていた神の意志が示されることとしてくじ引きが用いられたこと、そして12という数字を大切にしていたこと、これは、当時の人々が神の意志として、大切にしてきたことです。私達は今、何によって、神の意志を受け止めていくのでしょうか。もちろん、私達の熱心な祈りもあります。最後は、神の決定にすべてを委ねることです。ユダに代る新しい使徒がくじ引きによって選ばれている、それは主の復活の証人としての大切な役割を与えられているのです。
祈り 神よ。このようにあなたを礼拝することができましたことを心から感謝します。教会が立てられて、これから聖霊が下ってから、本格的な活動開始となっていきます。当時の人々が何を大切にしてきたかを見てきました。神の意志、ふさわしい定めが、何によって示されるのか、今の教会の歩み、そして、私達1人1人の歩み、あなたの意志を受け止めることができる信仰を与えてください。この願いを、イエス様のお名前によって、祈ります。アーメン。
コメント